もうご存知の人も多いでしょうが、残念ながら、７月25日〜30日、大阪、東京、福岡で開催が予定されていたスーパーゲーム2000が中止になってしまいました。来日選手の確認するなど情報のフォローをしてきたり、私自身も夏の一時帰国の予定をこの試合にあわせたということもあって、この急展開はとても残念でした。ちなみに、正式な中止決定を聞いたのは日本に到着した翌日でした。

私も中止に到った詳しい事情を知っているわけではありません。とりあえず、この１ヶ月ほど個人的に（雑誌などから依頼されてというわけではなく、という意味です）選手に確認作業をしたなかでいくつかわかった情報はあるので、それだけでもここに書いておきますね。

さて、中止になった理由は発表された通りにシャキール・オニールが来日を取りやめたため、と聞いています。ファイナル中に話したときにはあれほど来日に乗り気だったオニールがなぜここにきて来日中止を決めたのか、それは私にもわかりません。最終的な中止は、日本の主催者が目玉選手のオニール抜きで開催することと全日程中止にすることのデメリットを秤にかけた上で決定したのではないかと思います。ひとつ書いておきたいのは、一部来日選手の来日が不確実だということを私がこのホームページ上で書いたことや、直前になっても残りの来日選手が発表になっていなかったことで主催者への不信感を抱いていた方もいたようですが、実際には、来日をやめた選手のかわりを含め、来日メンバーはすでにほとんど確定していたと聞きます。伝聞なので選手名は書きませんが、その中にはこの選手が来たら日本のＮＢＡファンも喜んだだろうなぁと思う名前もありました。

ここで、これまで忙しくて更新をできなかった間にトップページに書いてきたことをまとめる意味で、簡単に私が個人的に来日を確認していた選手や、確認したいきさつを書いておきます。

まず、最初のきっかけについては5/28のscrapbookを読んでください。来日予定に入っていたライスが実際には来日しないことがわかり、それをこのホームページ上で書いたところ反響が大きく、予想以上の不安を引きおこしてしまったようだったので、とりあえず発表されていた来日選手の確認をできる範囲でしようと始めたわけです。どうやって確認しているのかという問い合わせのメールもいただきましたが、基本的には主催者やアメリカでの興行者経由ではなく、本人か代理人に確認するようにしました。彼らに確認するためにチームのＰＲスタッフに間に入ってもらったケースもあります。

その結果、来日するという確認がとれた選手がシャキール・オニール（ファイナルの時点。その後のことはまたあとで）、スコティ・ピッペン、ジェイソン・ウィリアムス（キングス）、スティーブ・フランシス、ディケンベ・ムトンボ、そして来日選手として発表になっていなかったものの、デトレフ・シュフェンプとチャールズ・バークレー。逆に来日しないという確認ができたのがグレン・ライスのほか、クリス・ウェバー。ミッチ・リッチモンドは最後までうまく確認がとれないままでした。

シャックの来日中止を私が知ったのは７月13日。来日中止を決めたのはその前日のことだったそうです。実はシャックからは来日する間の通訳を頼まれていたこともあり、来日中止の話はかなり早くに連絡をもらったのではないかと思います。ただ、これはあまりに影響が大きいだろうと判断し、正式に発表になるまでこのホームページに書くことも控えていました。一刻も早い情報を期待していた方、ごめんなさい。

ピッペンも最初は本当に来日するかどうかはっきりしないコメントをしていましたが、いったん行くとなった時点で、せっかく日本に行くのならバスケットボール・キャンプやサイン会もやりたいと希望していたため、日本の知り合いを通じて直前まで動いていました（ただ、なにしろあまりに急な話だったことなどからなかなかうまく話がまとまらなかったのですが）。ピッペン側とは、この件で私の帰国前日の７月14日まで話をしていたので、来日するつもりだったことは確かです。

以上、私がわかっていることだけ書いてみました。主催者、チケットを買ったファンの方々、そして来日をやめたシャックにもそれぞれ言い分はあるでしょうが、せっかく夏の間のイベントとして定着しかけていたスーパーゲームがこういった形で一回でも中止になってしまうことは、今後を考えるととても残念です。オフの試合なんてつまらない、とか、ＮＢＡ見るならアメリカまで行かなきゃ、という声もよく聞きますが、それでもいろんな事情でアメリカまで行けない人は多いわけですから、そういった人たちには貴重な機会だし、生の選手の大きさやスピードを見るだけでもきっと楽しめるのではないかなと思っていたので。特に、今回は３都市４試合という予定だったので、地方の方が試合に行く機会であると同時に、選手たちもレギュラーシーズンとは違って日本を楽しんでもらえるかと思っていましたし、その点も残念です。

なお、同じオフの間の試合ということで心配している人もいるかもしれませんが、９月のスーパードリームゲームのほうはＵＳＡ五輪代表チームの正式なスケジュールに組み込まれていますので、中止になることはないと思います。ご安心を。ただし、こちらはハワイでのトレーニングとオーストラリアでのオリンピック直前トレーニングの合間なので、到着してすぐ２試合を戦って出発と、ジャパンゲームのとき以上の慌しいスケジュール。とても選手が日本滞在を楽しむというわけにはいかなそうです。


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スーパーゲーム2000が中止になったことでひとつだけよかったのが、１試合も見に行けないと諦めていたキリンカップに３試合とも行けることになったこと。今年のキリンカップはヤングメン日本代表対ヤングメン中国代表。このヤングメン日本代表チームは去年ＬＡに遠征に来たときに取材させてもらった全日本ジュニアチームとメンバーがほとんど同じで、アメリカ留学中の田臥、北郷も参加している。アメリカにいるために日本選手を取材するチャンスはほとんどない私だけれど、そんななかでは多少は馴染みのあるチームなのだ。去年のHoop Summitで田臥を取材して以来、慣れたチームメイトたちとプレーする田臥も見たいなぁと思っていたので、そういう意味でもぜひ見てみたい試合だった。（去年の全日本ジュニアＬＡ遠征では田臥は風邪をひいてしまい、私が取材したなかで彼が出たのは病み上がりの１試合だけだったので）

（参考までに…）
キリンカップバスケットボール 2000
サッカーの「キリンチャレンジ」と同じように、全日本代表対外国代表の交流試合。交流試合だけど、目的はその直後に控えた大会の強化も兼ねるということらしい。今回は８月にカタールで行われるヤングメン・アジア選手権大会にむけての強化試合３連戦で、対戦相手はヤングメン中国。ただ、アジア選手権のための強化試合…といいつつも、見つめている先は来年の世界大会（来年行われるヤングメン世界大会は埼玉アリーナで開催されるため、地元日本はアジア選手権大会での成績に関わらずに世界大会の出場権を持っているので）。アジア選手権には不出場の田臥、北郷の米留学組がこの大会に参加したのもそのため…だと思う。

ヤングメン
ジュニアとフル代表の間で、97年までは「22歳以下」と呼ばれていた世代。厳密には今は22歳以下ではなく、来年のヤングメン世界大会の出場資格は誕生日が1980年１月１日以降であること。日本のバスケットボール界では、田臥の世代ということもあって人気が高く、期待度も高い。

ヤングメン日本 93 - ヤングメン中国 80　（日本１勝）

中国は大きい。試合前、すでに日本が練習を始めていたコートに中国チームが入ってきたら、まるで子供のコートに大人が押しかけたきたようにも見える。マッチアップしたところを比べると、だいたいどのポジションも10cm近くの身長差があった。

日本のディフェンスはハーフコート・マンツーマンだったのだけど、出だしからかなり積極的なスティール狙い。試合後の清水監督によると、練習でオールコートプレスばかり練習していたことでハーフコートでも積極的になったのだろうとのこと。オフェンスでも１年前のＬＡ遠征のときよりずっと果敢にインサイドに攻めこんでいて、思ったほどサイズの差は感じなかった。…リバウンド以外では。リバウンドは３戦通して中国の圧勝で、この試合も日本が勝ったにも関わらず、リバウンドでは13本差をつけられていた。

中国は、日本に比べるとだいぶフィジカルな、そういった意味ではどちらかといえばアメリカ的なバスケットボールをしていた。「あれでもファウルなのか」と思うようなファウルをかなり取られていて、そのたびにかなり不満そうな表情。逆に、シュートを日本チームがチェックしてきたときにはかなり大げさな声を出しながら倒れて日本のファウルをアピール。それがホンのちょっと触っただけでも。審判へのアピールのしかたを知っている駆け引き上手という感じだ。日本の選手には、あまりこういったイヤラシさは見られないけれど、世界の舞台で勝つには、多少こういったイヤラシさも持っている必要があるのではないかと思う。ただし、イヤラシさは裏目に出ることもあるから、そのバランスが難しいんだけれど。この試合ではファウルをとってもらえない中国は審判への文句も多かった。張（ツァン）監督も何度も立ちあがって文句を言う、言う。ただ、試合後にそのことを聞いたところ、「審判が吹いたものはファウルはファウルとして受け入れます」との優等生の答え。「イメージとして、もう少しプレイをさせてもらえたらなと思いました」と付け加えることも忘れなかったけれど。結局、中国が実力を発揮できない感じのままに終わり、日本の清水監督も、田臥ら選手も、口々に「中国の実力はあんなものではない」と、勝って兜の緒を締めるコメントをしていた。

満員の会場だったけれど、日本が試合開始から大量リードをとったこともあって、かなり静かなのが気になった。応援というよりは、好プレーには沸くし拍手もでる鑑賞モード。前半終わりに追い上げられた日本ベンチが「ディフェンス」の手拍子を始めると、それが観客の間にも広がり、応援モードに。なるほど、選手先導型の応援なのね。観客の大半はバスケットボールをしている子供たち。どうやらチームで見にきているようだ。

QUOTES
（試合を振り返って）
張監督（中国）「今回、こういった結果になりましたが、我々のチームはヨーロッパ各地、アメリカ等を回ってきたということもありまして、日本チームのスタイルになかなか対応することがなかなかできなかったように思われます。特に速い攻撃からの３ポイントシュートや、（日本の）ディフェンスのスティールなどになかなか対応しきれずにこのような結果になりましたが、明日以降、できるだけ早くそれに対応できるようにしてきたいと思います」
清水監督「全然中国チームを見もしないでゲームに入りましたので、ただ、高さがあるということですごく気にはしていたんですが、まだ（中国チームに）まとまりが欠けている部分と、前半はフリースローを落としてくれたので助かりました。軸になる選手がふだん通りに力を出してくれたので、あまり後半も心配はしていませんでした。この大会にむけてトータルで７〜８日くらいの練習しかしていませんけれど、うちは小さいということでオールコートプレスの練習ばかりしてきました。きょうはやらないでハーフのマンツーマンでしたが、ディフェンスを少し積極的にできるようになりました。
　勝つために練習したわけで、どんなゲームでももちろん勝ちたい、勝つことに一生懸命なわけですが、なにせ16人を使わなくてはいけない。みんなひとりずつ１回は出してあげたいなと、そっちのほうに気を使いまして、疲れました。ただ、田臥はドーハのときには戦力外になりますから、まぁ、来年の埼玉のときには（入ってくるでしょうが）、ですから、今回、本当のことをいうとあまり使いたくないんです。ほかの12人で戦わなくてはいけませんから。この２人（田臥、北郷）はドーハに来てくれませんから。田臥、使いはしましたが、しばらく、来年まではお預けになりますから、ドーハのアジア予選のためにはあまり田臥を頼らないチームを作っていきたいと思っています。ただ、秋田の３人はファン・サービスもありますから、そっちのほうにも気を使います」
田臥「出た選手がひとりひとり、やるべきことをしっかりできたと思います。中国はきょうはあまり体調がよくなかったと思いますので、新潟、東京と、これから中国らしさがでてくるのではないかと思います」
菊地「１人１人、個性を出して試合に臨みました。前半は走るプレーができたのでよかったけれど、後半は（できなかったですが）、みんなでまとまってプレーし、勝つための（ゲームが）できたと思います」
若月「きょうは走れる試合ができたのでよかったと思います。でも、セカンドリバウンドが相手にすごくとられたので、その分だけ（相手の）得点が多くなったと思います。ファウルが多いと思うので、それに気をつければ勝利につながると思います」

オマケTopic
相変わらず田臥人気はすごい。でも、その田臥は後半始まってすぐに４つめのファウル。中国＃８フーが例のごとく、シュート後に大げさに声をあげて倒れ、シュートチェックに行った田臥がファウルをとられた。田臥、首をかしげながらベンチへ。途端に多くのファンの視線はコートからベンチへ。田臥のプレーで沸いたのは、後半のインサイドの山田へのパスと、ハーフコートから外角へのノールックパス、そして試合終盤にインサイドに切れこむ網野へのナイスパス…といったところだったかな。後半１分３秒、10点差がついていたこともあって清水監督は田臥、菊地、若月の能代トリオを揃ってコートに戻す地元サービス。目だったコンビネーション・プレイはなかったけれど、観客は大喜び。

QUOTES
（能代３人組。久しぶりに３人でいっしょにプレーした感想を聞かれて）
田臥「みんな大学が別々なんですけれど、こういった場でしか（いっしょに）試合はできないので、楽しみにしていました。高校からいっしょにやっているのでやりやすいです。最後にいっしょに出してもらえて、嬉しかったし、楽しかったです」
菊地「滅多にないことなので、足をひっぱらないようにと思っています」
若月「久しぶりなので…。勇太が帰ってきてすごく刺激を受け、自分も頑張らなくてはいけないなと思います」

（ちょっと余談）
ホテルから会場の秋田市立体育館に行くタクシーで。
行き先を告げただけなのに運転手さんが「きょうはバスケですか？」と聞いてきたので、さすが能代の地元と感心。
でも、「きょう試合があるって、地元ではよく知られているんですか？」と聞いたら、「ん〜、そうでもないんでない？」という答えでがっくり。
バスケ好きの運転手さんだったんだろうか。そのあともこんな会話が続いた。
私「きょうのチケットは売りきれだそうですヨ」
運「あぁ、田臥が出るんでしょ？」
私「彼の試合は久しぶりですもんね」
運「能代もねぇ、田臥がいなくなってから全然だめだね（きっぱり、断言）」
──あの運転手さん、今年の能代のインターハイ優勝を喜んでいるかな。


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ヤングメン中国 100 - ヤングメン日本 96　（日本１勝　中国１勝）

やっぱり、そんなに簡単に負ける中国ではなかった。試合開始から＃15李（リー）のインサイドでの得点や日本のお株を奪うような速攻、トランジション・オフェンスで大量リード。これだけ得点を入れられてしまうと、日本はなかなか得意の速攻を出せず。あらあらと思っているうちに13分頃には30対７になっていた。これだけの点差をつけられ、いよいよ特訓したオールコート・プレスを披露。中国にターンオーバーが続き、わずか３分余り、あっという間に点差は一桁に。

でも、このプレスが後半にはきかなかった。プレスをかけてトランジションに持ちこむも、シュートミスやターンオーバーが続く。逆速攻も食らう。逆転の頼みの綱の菊地の３点シュートが入ったのはもう１分を切ったとき。このときの３点シュートは３ポイントラインの５歩くらい後ろからというびっくりシュート。さすがにこの距離のシュートはディフェンスもつかないだろうな。とはいえ、このシュートが入ってもまだ７点差。ファウルゲームと３点シュートでさらに追い上げたが、中国がフリースローをきっちり決めたために追いつけずにタイムアップ。第１戦の印象とはうってかわって、中国の高さを感じた試合だった。

QUOTES
（試合を振りかえって）
張監督「秋田での敗戦の教訓を生かしまして、ディフェンス面ではとにかく戻りを素早くするようにという指示を出しました。また、外角のシュートのレシーバー（パス受け手？）へのディフェンスを指示しました。オフェンス面においては外角のシュートよりインサイドのプレーを多く使うようにというように指示しました。日本の速攻に対しての対応がある程度できたことが勝利につながったと思います」
清水監督「１戦目は勝たせてもらいましたけれども、あんな実力じゃないということで気合いれて（試合に）入ったつもりだったのですが、逆に相手に走られました。プレスを得意とするチームがプレスに弱いように、うちもアーリー・オフェンスのチームが相手にアーリー・オフェンスでやられて、出だしで23点差くらいつけられたかな、30対７と。一時はどうなるかと思いましたが、選手が頑張ってくれまして追いつけたので。前半はあれで、ひと桁にしたところでひと桁で終われば、８点か９点差で終わればいいなという感じをしていたのですけれど…。
　見てられる方は前半でプレスが成功したから、もう少しやればいいなと思ったでしょうけれども、私も欲張りなものですから、選手ともかく16人使いたいので、正式な大会だったら──キリンカップももちろん正式な大会なんですが、オフィシャルゲームとちょっと意味合いが違うんで、申し訳ないんですが、選手16人にトライをさせたいと。プレイタイムは少ないかもしれませんが、みんなバラバラ差はでますが、ともかく16人がひとつだということを意識する必要がありまして、とにかく出してあげたいと。まぁ、ふつうでしたら８人くらいで勝ちに行けば、きょうあたりでもいけたかなという気はしているんですけども。
　それと、後半のところで７点差くらいのところでいったりきたりしていたのが、あそこを辛抱して残り５分あればプレスでひっくり返せるなという甘い読みをしていまして、そのためにメンバーとっかえひっかえしながら、最後の５分の勝負だなとという感じであそこで辛抱していたんですが、最後のプレスがちょっと、前半で慣れさせちゃったというのもあるんでしょうが、効かなかったなという僕自身の読みの甘さもありまして。これでひとつ負けましたけれども、終わったあとのミーティングで選手には、お前ら負けたんじゃない、俺のベンチが負けたのだから胸はって帰ろうと。明日のゲームは頑張ろうと、そういうことで終わりました」
柏倉「前半で23点差ついちゃったのがやっぱり敗因だと思います。きのうボクたちがやったことを、きょう、むこうの中国側にやられてしまってこういう結果になってしまったと思うので、明日はもう一回またチーム一丸となって絶対勝ちたいと思います」
田臥「中国は、柏倉がさっき言ったように、きのう自分たちがやったことをやられてしまった。どうしてもゴール下がきょうは強かった。あとは大事なところで自分のミスが響いたので、大事なところでミスをしちゃうとチームが…（１列目にいたのに、この部分、聞こえず。田臥クン、記者会見での声小さすぎ）…なので」

オマケTopic
中国は第１戦に引き続き審判（２人とも日本人）の判定に不満な様子。この試合ではついに前半と後半１度ずつ、選手をベンチに引き上げさせてしまった。タイムアウトというわけでもなく…。後半のほうは張監督はタイムアウトをコールしようとしたが、中国がタイムアウトをとれない場面だったので却下。…とはいえ、さすがに交流試合でこれをテクニカル・ファウルや試合放棄とするわけにもいかず、審判は２〜３分ベンチに座らせて、ほとぼりを冷めさせてから試合開始という処置をとっていた。

QUOTES
（ベンチ引き上げに関して）
張監督「審判に対して、非常にわかりづらい部分が多かったことがありまして、選手たちもかなり興奮しておりましたので、落ち着かせる意味といってはおかしいのですが…」
清水監督（会見後に「最後にちょっといいですか？」と断って自ら発言）「中国のヘッドコーチはまだ若いですからあれですけれど、中国行こうが韓国行こうが、日本は行ったらとんでもない笛を吹かれるんです。きょうの笛なんてのはあれでまともなんですよ、日本てのは。自分たちが何様だというつもりでいるかわかりませんが、笛が悪い、笛が悪いっていいますけれどね、あんなものじゃないんですよ、日本のチームが海外へ行ったとき、中国に行こうが韓国に行こうが。そんなおかしな笛ないですからね、きょう。ぼくだって文句言いたいくらいですから。俺は日本でゲームをやっているんだ、もう少しうちのチームの味方をした笛ぐらい吹けないものかって言いたいくらいのものですからね。そこだけちょっと間違えないようにしていいただきたいなと思いまして」


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ヤングメン中国 97 - ヤングメン日本 83　（中国２勝　日本１勝）

それなりに日本らしいペースの速い展開のゲームができていたし、代々木第二体育館の観客からも喝采が沸く場面も多々あったけれど、それでも３連戦で一番中国との力の差を感じた試合だった。点差はほとんど１桁台で、２Ｈには何度か１点差まで追い上げていたのに。追い上げられても中国は慌てることなく、落ち着いて高さの試合で引き離していた。まるで、それが当然とでもいう感じで。そう感じたのは、後半の日本にスタミナ切れが見られたからかもしれない。第２戦と同じく、オールコートプレスは前半こそ効果的だったものの、後半はそれほどの成果をあげられない。第２戦では中国が日本のプレスに慣れたからなのかと思ったのだけど、第３戦では、それ以上に日本チームがスタミナ切れで、効果的なプレスになっていなかった。第２戦に見られたような、負けが決まったような状態からの最後のひと踏ん張りも見られなかった。第１戦、２戦に比べて、審判がファウルに甘い感じ（１、２戦はかなり厳しかった）だったので、余計にフィジカルな中国のペースだったのかも。

身長差もあるんだけれど、日本はなかなか中国のローポスト攻撃を止められない。特に最優秀選手をもらった中国15番、李。時にやんちゃ坊主のような表情をみせる彼だけど、ローポストでのポジション取りはさすが。大きい割にけっこう走れるので、速攻のゴール下で彼にやられた場面も多かった。

QUOTES
（試合を振りかえって）
張監督「きょうのこのゲームに勝てて嬉しい。秋田での第１戦で、身長が低く、スピードの速い日本チームに対応できず、その後、特にディフェンスの切り替えの早さに対応するように心がけた。きょうの第３戦も日本の速攻を止めることができたと思う。オフェンスでは、自分たちの身長を生かしてセンタープレイ中心に攻めることができた」
清水監督「前半の終わりかけで12〜３点差がついてやばいと思ったが、そこからつめて終わることができたから前半は合格。後半、１点差まで詰めて、選手はいきごんでいたのでまだいいと抑えていた。７分くらいまでいったらオールコートプレスをしようと思っていた。しかし、その前に７分台でタイムアウトを２つ使わなくてはいけなかった、あれが敗因だと思う。３試合戦ってきて、大きい選手はボディブロウを食らい、体力的に厳しかった。精神的にはいいが、体力的に問題。あとは、ベンチでみんなが自分を出せという顔をしていたのが嬉しかった」

オマケTopic
（３試合を通して）
　中国が調子が悪かったとはいえ、日本も１勝あげ、決して勝てない相手ではないというところを見せてくれた。ただ、あの高さを崩すにはオールコートプレスだけではキツイ。今回は練習不足だったから仕方ない面もあるのだろうけれど、それにしても、リバウンド、ハーフコート・オフェンス、ディフェンスの戻り、インサイドのディフェンスなど、まだまだ課題が多い。
　その一方で、久しぶりの日本チームの試合は思っていた以上に面白かった。田臥が積極的に行くときの試合は、やはり聞いていた通りに見ていて楽しい。彼のプレーを見ようと、３〜４千人収容の会場が３日間満員御礼になったのも納得。魅せるバスケットボールと勝つためのバスケットボール、この二つが両立するときが日本にも来るのかもしれない。柏倉、佐藤の両選手の、ここで一本欲しいと思うときに決めてくるバスケットボールの勘、勝負の勘は頼もしいし、菊地の「そんなところから打つの？」という３点シュートにもびっくり。網野、鵜澤も、体格では負けていても、メンタル面では負けずに積極的に攻めているところに去年からの成長が見られたのも嬉しい驚きだった。来年のヤングメン世界選手権＠埼玉アリーナもまた見に来ようという気にさせてくれた。それまでにまた彼らがどんな成長を見せてくれているか楽しみ。願わくば、世界の同世代の差を少しずつでもいいから縮めて欲しい。


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